心臓の病気について（狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈）

はじめに

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を担う重要な臓器です。
その心臓に異常が起こると、「胸の痛み」「息切れ」「動悸」「めまい」 などの症状が現れ、命に関わることもあります。
当院では、循環器内科専門医 が中心となり、狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈などの心疾患を総合的に診療しています。

狭心症（きょうしんしょう）

病気の概要

狭心症は、心臓の筋肉（心筋）に酸素を送る冠動脈が狭くなることで、一時的に血流が不足し、胸の痛みや圧迫感が起こる病気です。
動脈硬化によって冠動脈が細くなったり、寒冷刺激やストレスなどで血管が一時的にけいれんしたりすることが原因です。

主な症状

胸の圧迫感・しめつけ感
左肩・背中・あごへの放散痛
階段を上る・歩くと痛くなる（安静にすると軽くなる）
冷たい風・精神的ストレスなどで誘発される

検査・診断

心電図・運動負荷心電図
心エコー（心臓超音波検査）
血液検査（心筋マーカー）
必要に応じて心臓CT・冠動脈造影検査　（大学病院など大きい病院への紹介になります）

治療

薬物療法（ニトログリセリン・抗血小板薬・降圧薬など）
生活習慣の改善（禁煙・減塩・適度な運動）
症状が重い場合はカテーテル治療（PCI）を行うこともあります（大学病院など大きい病院への紹介になります）。

心筋梗塞（しんきんこうそく）

病気の概要

心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まることで心筋が壊死してしまう病気です。
発症直後の数時間が最も危険で、早急な治療が生死を分ける疾患です。

主な症状

強い胸の痛み（20分以上続く）
冷や汗、吐き気、息苦しさ
胸痛が左腕・背中・下あごに広がる
高齢者では痛みが目立たず、息切れや倦怠感のみの場合も

治療

緊急時はカテーテル治療（冠動脈の再開通）を行うことが最重要
発症後は抗血小板薬・スタチン・降圧薬などで再発予防
退院後は心臓リハビリテーションや生活指導を行い、再発防止を目指します。

心不全（しんふぜん）

病気の概要

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態のことをいいます。
心臓病の最終段階と誤解されがちですが、早期発見・早期治療によって長期的な管理が可能です。

主な症状

息切れ・階段を上ると苦しい
足や顔のむくみ
体重増加（体液貯留）
夜間に息苦しくて起きる

原因となる疾患

高血圧・心筋梗塞・弁膜症・不整脈・糖尿病などが関係しています。

治療

薬物療法（利尿薬・ACE阻害薬・β遮断薬など）
塩分制限・水分制限・体重管理
症状が強い場合は入院による点滴治療
再発予防のための生活指導と定期フォローが重要です。

不整脈（ふせいみゃく）

病気の概要

不整脈とは、心臓の拍動が速すぎる・遅すぎる・リズムが乱れる状態の総称です。
軽度のものから命に関わる重症なタイプまでさまざまです。

主な症状

動悸・息切れ
めまい・ふらつき
意識が遠のく・失神
胸のドキドキ・不快感

主な種類

期外収縮（一拍飛ぶようなドキドキ）
心房細動（脈がバラバラになる）
徐脈性不整脈（脈が遅くなる）

治療

原因の特定（心電図・ホルター心電図で診断）
薬物療法（抗不整脈薬・抗凝固薬など）
必要に応じて大学病院などでカテーテルアブレーションやペースメーカー治療を行うこともあります。

当院での診療方針

心臓病は早期発見・再発予防・生活改善支援が重要です。

一度悪くなるとなかなか治らなので、早く来ていただけると大変ありがたいです。

心電図・心エコー・血液検査などによる迅速な評価
必要に応じて専門病院に紹介します。基本的に県内の基幹病院はどこでも診ていただけます。
生活習慣改善や服薬指導を含め、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行います

胸の痛み・動悸・息切れなどの症状がある場合は、早めにご相談ください。